「香水選びに“つくり手”の存在は響くか?」調香師に関する意識調査 (2025/10/10)
調査概要
香水を選ぶとき、私たちはボトルデザインやブランド名、香りの好みなど、さまざまな要素を基準にしています。 では、その香りを生み出した「調香師」という存在を意識している人は、どのくらいいるのでしょうか。
今回は全国の20代~50代の男女100名を対象に、「香水購入時に調香師を意識したことがあるか」をテーマにアンケートを実施しました。
調査対象 | 全国の20代〜50代の男女 |
回答数 | 100 |
調査日 | 2025年10月8日 |
調査方法 | インターネット調査 |
回答者属性
男女
年代
都道府県
職業
調香師の認知は限定的だが、関心を持つ人が半数以上
香水を購入する際に調香師を意識したことはありますか?
・いつも意識している:1
・時々意識している:15
・あまり意識しない:46
・全く意識しない:38
調香師のストーリー(経歴・哲学など)が紹介されている香水に、どのような印象を持ちますか?
・興味を持つ、購入意欲が上がる:28
・興味を持つが購入には影響しない:40
・特に関心がない:32
以下にそれぞれの理由をまとめました。
《興味を持つ、購入意欲が上がる》
- ブランドの公式サイトや商品説明で調香師の経歴やこだわりを知ると、その香水に対する信頼感が高まります。また、香りだけでなく、その裏にある考え方を知ると、使うたびに特別な気持ちになれるので、自然と愛着も深まります。(30代/女性/愛知県/正社員)
- 調香師の経歴や哲学は香りの背景や作り手の意図を伝えてくれるため、実際に香りを試す前から想像力が働きやすくなる。特に素材へのこだわりや制作過程の物語があると品質や独自性への信頼が増し、候補に残すことが多い。ただし最終的には肌での馴染みや日常での扱いやすさを優先して購入を決める。(40代/女性/滋賀県/パート、アルバイト)
- 普段から香水を選ぶ際は香りの系統やブランドだけでなく、どんな調香師が手がけたのかにも注目することがあります。特に有名な調香師の作品は香りの構成に一貫性があり、自分の好みと合いやすいと感じます。(30代/男性/岡山県/正社員)
- どんな香りがするか、その香りが自分に似合うかが選ぶのに1番重視するけど、 気に入った香水に調香師の紹介があったら、さらに興味が湧くし、購入しようという気持ちになる。そういった紹介があると、購入した後も、お気に入りになると思う。(30代/女性/埼玉県/正社員)
- ホームページなどで香水の出来上がるまでのストーリーなどを読むと商品に興味を持ち、実際に香りを嗅いでみたいと思って店頭に行ったことがある。(30代/女性/東京都/正社員)
- 有名な調香師や、自分が好きな香りを手がけた調香師の名前が出てくると、この人が作ったなら間違いないと感じ、品質や香りへの安心感が高まります。(30代/男性/神奈川県/正社員)
- メーカーが作っているような香水しか使用したことがなかったので、あまり意識したことがありませんでした。しかし、調香師のストーリーが紹介されていたら、どんな人が作っているのか興味を持ちその香水を見る印象が変わると思います。(30代/女性/埼玉県/パート、アルバイト)
- 調香師の哲学や信念に基づいて作られた香りは、こだわりを感じ、高級感があるから。(30代/女性/神奈川県/専業主婦)
- 香りという見えないものに、調香師の意思が強く感じられて、ただつけているだけでない特別な気分になると思うから(50代/女性/神奈川県/パート、アルバイト)
- どんな人か作ったのか知ったほうが愛着が湧く(30代/女性/沖縄県/パート、アルバイト)
- 私は自分では香水は使用しておらず、パートナーへのプレゼントとして購入しています。 その際、私とパートナーの思い出にインスパイアされた香りをテーマとして香水を購入しています。 (お互い海が好きなので海のイメージの香り、お互い好きな曲のテーマになっている雪のイメージの香り、など) このように、贈りたい香りのイメージを決めてから、そのイメージに沿う香水を探しています。 そのため、ブランドや調香師は問いません。 しかし、大切な人に贈る香水なので、香水に込められている想いが強いものに魅力を感じます。 香水専門のブランドの場合、調香師のストーリーやその香りに込められている想いが明確になっていることが多いように感じます。 そこで、調香師のストーリーが明確になっていて、香りに込められた思いに共感できると購買意欲の向上につながります。(40代/女性/神奈川県/自営業、自由業)
- 香水を選ぶ際は、香りの種類やブランドを意識しますが、調香師の方が何度も試行錯誤して作られた香水はより価値があると思うからです。(40代/女性/佐賀県/パート、アルバイト)
- 調香師の方のストーリーが紹介されている香水を意識したことがないのですが、どういう思いでこの香水を作ったかやどんな香りなのかなどが紹介されていたらとても気になります。香りのプロが厳選して作り上げた香水はこだわりがあり、香りを楽しめそうです。(40代/女性/北海道/専業主婦)
- 数年前までは、自分の買う香水が、どんな風に作られてるかを考えたことがありませんでした。また、調香師という職業も知りませんでした。 私にとって、購入の決断は、単純にその香りが好きかどうか?それだけでした。 それが変わったきっかけは、初めてルイ・ヴィトンで香水が発売され、お店で香りを試した時でした。 ジャック・キャヴァリエという調香師がクリエイトしたというヴィトンの香水誕生の物語を知ったんです。 ヴィトンは旅がテーマのブランドなので、世界の旅をイメージして作られたこと・その旅先にちなんだ原材料を使用していること・それらの組み合わせを調香師が自らの鼻、嗅覚を頼りに作り上げていく。 ジャック・キャヴァリエは香水の原料の生産地として名高いフランスの村の調香師一家に生まれ、幼少の頃から鼻が鍛えられている・・・など、どんな人物がどんな思いで香水を作ったのかを知ることで、香水により親近感を覚えたからです。(40代/女性/埼玉県/パート、アルバイト)
- その香水がどの様に作られたか、世界観などがより深く知れるようになるので、より興味が湧くし使用したくなる(40代/女性/神奈川県/正社員)
- その香水に込められた調香師の想いや背景を知ると、ただの香りじゃなくて物語を纏うような気持ちになって、使う度に気分が上がります。次に選ぶ時は、もっと意識してみたいと思いました。(50代/女性/兵庫県/パート、アルバイト)
- 香りへのイメージがしやすくなり身近に感じられ、興味を抱くから(30代/女性/愛知県/正社員)
- 作り手の想いを身にまとうという満足感を得られると思います。(50代/男性/愛知県/正社員)
《興味を持つが購入には影響しない》
- 香水はブランドで選ぶので、調香師で選ぶという考えがありませんでした。ただ、調香師のストーリーが紹介されていれば、購入に大きな影響はありませんが多少は興味を持つと思います。(30代/男性/東京都/正社員)
- 調香師はなかなか関わることのない職業なので、その人の経歴や職業観などについて確かに興味は抱く。でも自分が香水を購入するのはその香りが好きだったり容器が綺麗だったりするところに惹かれてのものなので、調香師のストーリーとは関係ない部分だと考えるから。(50代/男性/静岡県/正社員)
- 香水を選ぶときは香りのことしか考えていないから。調香師まで意識したことがない。調香師についての紹介があればとりあえず見てみると思うけれど、最終的には好みの香りのものを選びたいから、購入に影響することはないと思う。(20代/女性/青森県/パート、アルバイト)
- どんなイメージを持って調香されたのかわかるほうが愛着が湧くと思うが、実際に購入するかどうかはわからない。(30代/女性/佐賀県/パート、アルバイト)
- 香水選びで最も重視するのは、最終的に自分の肌に乗せた時の香りが好きかどうか、自分に合うかどうかだからです。もちろん、調香師の経歴や香りに込めた哲学を知ることは、その作品の背景を深く知るようで興味深くはあります。しかし、それが購入の直接的な決め手になることはありません。どんなに素晴らしいストーリーがあったとしても、肝心の香りが自分の好みでなければ購入には至らないためです。あくまで香りが主役であり、調香師のストーリーは、その香りをより楽しむための付加価値だと考えています。(30代/男性/東京都/正社員)
- 今まで香水を購入するときは、香りが好きか嫌いかだけで選んでいたので調香師のことを意識したことはありません。 どんな調香師が香水を作ったのかという紹介で興味を持っても購入する際には香りが自分の好みなのかというところで買うか買わないか判断すると思うのであまり影響はしないと思います。(40代/女性/兵庫県/パート、アルバイト)
- 香水を選ぶ際の一定の判断材料になるかもしれないが、結局は、自分が気に入った香りの香水を最終的に選んで購入をするため。(40代/男性/埼玉県/正社員)
- 世界観は気になるが好きな香りでないと購入しないから(50代/女性/神奈川県/専業主婦)
- 調香師によって香りの使い方に特長が出るかもしれないけれど、香りは名前を見ないで好みで選んでいます。(50代/女性/静岡県/パート、アルバイト)
- 調香師を気にするようなことやきっかけがあまり無かったから意識したことがない。 調香師のストーリーが紹介されているのが購入の際に見ることがあるなら、すこし香水にたいして興味がもっと湧く気がするが、いい香りか好きな香りかが重要なので購入には影響しないです。(20代/女性/千葉県/専業主婦)
- 面白そうだと興味は持つかもしれないが、香りで判断しているから特に影響なし(30代/女性/愛知県/専業主婦)
- 一番大切なのは「自分の好きな香りか、自分のイメージに合った香りか」なので影響しない。(30代/女性/東京都/パート、アルバイト)
- 調香師というお仕事の人がいると聞いてから意識するようになった。ただ調香師だけで購入を決めない。好きな香りで選ぶ。(20代/女性/群馬県/自営業、自由業)
- 調香師さんについて興味は持ちますが、肝心なのは香りなので購買意欲が上がったりはしません(30代/女性/埼玉県/専業主婦)
- 調香師と香水の匂いは別物だと思ってしまう。どんなに有名な人が作っている香水でも私は、匂いやデザインを優先してしまうかもしれません。(20代/女性/鹿児島県/パート、アルバイト)
- 香水は普段、仕事やデートで気分を上げたい時に使ってますが、調香師の名前や背景は正直あまり気にしてないです。仕事柄、香水は清潔感やリフレッシュ効果を求めて選ぶことが多くて、ブランドや香りの印象で決めることがほとんどです。(30代/男性/東京都/正社員)
- 調香師の方は興味を持ったことはありますが、自分が好きな匂いという点で購入することが多いので調香師で影響することはないです。(30代/男性/愛知県/その他)
- 調香師を気にするより、自分が好きな香りを優先して購入する。 だいたい同じ香水しか付けないが、その香水に調香師の人物像などが書かれていたら興味が湧くと思う。(40代/女性/東京都/正社員)
- 調香師の紹介文などを見ると「なるほどなぁ…」と感じはするのですが、その香りが自分の好みとは限らないので、購入とは別のものだと思っています。(40代/女性/千葉県/パート、アルバイト)
《特に関心がない》
- 調香師よりも自分の嗅覚で確認して選定するのが香水を買う時の楽しみでもあり、納得する商品を購入できると思っているから(40代/男性/北海道/自営業、自由業)
- 自分の求めている香りであればそれ以外の情報はあまり気にならないし、気にしないので。香水に身だしなみ以上のものは期待していない。(20代/男性/徳島県/自営業、自由業)
- ブランドのコンセプトの方が気になるから、調香師を意識したことはないですし、あまりその人(調香師)が顔を出すと身に付けるものだから反対に敬遠しちゃうかも。(40代/女性/大阪府/専業主婦)
- 香水だけでなく、物を買う時に作った人の事は全く気にせず、その商品だけで判断するので。(40代/男性/大阪府/自営業、自由業)
- 調香師という言葉自体を今回初めて知った。料理の価値が料理人ではなく味であるように、香水の価値は人ではなく香りだと思うので、調香師のストーリーがあっても特に購入意欲には影響しない。 料理人のようにメディアへの露出が多くほとんどの人が知ってる料理人の写真がある料理とかだったら購入意欲に影響するが、調香師でそういう人がいるとも聞いたことない。(50代/男性/群馬県/自営業、自由業)
- 香水は香りが一番大事なので、調香師の経歴や考えはあまり気にしません。 逆に、調香師について長く書かれると、「難しい人なんだな」「一見お断りかも」と敬遠してしまうと思います。(30代/女性/石川県/正社員)
- 実用的な感覚で買っているので、ブランドやファッション的な要素はあまり意識することがないです。 むしろ自分は対象ではないという意識を持つかもしれません。(30代/男性/東京都/正社員)
- 香水という作品だけで判断したいから(20代/男性/東京都/正社員)
- 香りが気に入ればそれでいいから。(30代/女性/神奈川県/パート、アルバイト)
- 自分の好きな匂いか嫌いな匂いかで選んでいるのでそこまで深く考えたことがなかったです。(20代/女性/岡山県/正社員)
- 好きな匂いかどうかで購入するか判断するから。(30代/女性/福岡県/パート、アルバイト)
- 普段あまり香水をつかわないのと、調香師という職業についても特に意識したことが無いから。(40代/女性/群馬県/パート、アルバイト)
- 自分の好みの香りであれば、プロセスやストーリーは気にならない。(40代/女性/福島県/正社員)
- 自分好みの香水なら調香師の経歴や哲学など知りたいと思うかもしれませんが、逆はちょっと違う感じがします。 その人に余程の興味を持てば、その人の香水を試してみたいと思うかもしれませんが…。(50代/女性/愛媛県/正社員)
- 香水を購入するときは自分が好きな香りであることに重点を置いているため、調香師のことはあまり考えないし、ストーリーが紹介されていても興味を持たない。(30代/女性/福岡県/専業主婦)
- 気に入った香りであることはもちろん、自分の雰囲気に合うかなとか、ファッションや年齢とミスマッチではないかなとか、購入時にはつける自身のことしか考えないから。香りが自分好みであればそれ以上の情報は必要ないので、調香師のストーリーも興味がない。(40代/女性/東京都/正社員)
- 香りそのものが良ければ問題ないから(20代/女性/東京都/パート、アルバイト)
まとめ
今回の調査では、香水購入時に「調香師」を意識する人は少数派である一方、その存在や背景に対する関心は一定数存在することが明らかになりました。
多くの消費者は香りやブランド名を選択基準としていますが、調香師のストーリーやプロフィールに触れることで、香水への理解や愛着が深まる傾向が見られました。こうした結果は、調香師という存在が香水選びの新たな視点となり得ることを示しています。
《調査結果の引用・転載について》
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